麗しのワイルド ビースト
急いで電話に出ると聞きたかった声…。



「うぜぇな林檎」

「虎君…」

「元気なさげ?」

「うん…。会いたいよ…」

「日本時間で3日の昼くらいに帰る。お前実家いんの?」

「いるぅ…」

「じゃあ林檎の両親になんか買ってくわ」



会いに来てくれるの?



3日我慢すれば抱きしめてくれる?



もう会いたくて会いたくて…。



「虎君っ…好きって言ってっ…」

「お前泣いてんの?」

「泣いて…る…らしい…」

「バカじゃねぇの!!マジウザイから切るわ」



ブチッと切られた電話…。



言ってくれたっていいじゃん…。



こんなに我慢してるのに…。



泣きながら携帯を閉じた瞬間、再び鳴った携帯の着信音にビクッとなった。



メール?



それは虎君からで…。



『周りに人いるから言えない』



それは…言ってくれたと同じこと…。



また虎君の不器用な部分に触れた…。



やっぱり虎君が世界一大好き…。



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