麗しのワイルド ビースト
こんなに妬いたのはたぶん初めて…。



自分でもわけわかんなくなるほど林檎をどうにかしたくなる…。



疲れてるとか、眠いとか。



全く気にならない…。



「マジ…ぶっ壊す…」

「もう…やぁっ…」

「なに言ってんの?本番はこれからだろ」



ギュッと押さえ付けた腕も…。



捕まえた髪の毛も…。



その声もその顔もその体も…。



全部俺のだろ?



「林檎、起きろ」

「んっ…」

「帰んぞ」

「歩け…なぁい…」

「じゃあ言い訳考えて家に泊まるって電話しとけ」

「ん…」



家に帰った方がマシだと思うけど?



ふたりでいたらなにすっかわかんねぇし。



家に電話してる林檎は必死に言い訳を並べてた。



「なんて言われた?」

「玉の輿狙って身ごもれ!!と…母が…」

「あははははっ!!母ちゃん最高!!」

「笑い事じゃないよ恥ずかしい…」

「じゃ、マジ身ごもるか」

「や、ヤダ!!それだけはイヤ!!」



わかってるってボケ林檎…。



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