麗しのワイルド ビースト
あたしが俯せになるベッドの横に座った虎君はあたしをコロンッと転がして仰向けにした。



そのまま馬乗り状態…。



久しぶりにこうして見下ろされてるからか、なんだかドキドキしてきた…。



「素直に『寂しかったのぉ~』って言えばいいものやるよ」

「寂しくないもんねー」

「カワイくねぇの。俺は林檎のことばっか考えてたけど?」



なっ!?



卑怯じゃない!?



いつも絶対そんなこと言わないくせに!!



「ウソに決まってんだろボケ林檎。顔赤くしてんじゃねぇよ」

「信じらんない!!今の超嬉しかったのに!!」

「ぷっ!!お前って絶対詐欺られるタイプ…」



そう言ってあたしの首に吸い付く虎君に、ウソだとわかっててもドキドキが止まらなかった。



ボタン外しちゃダメ…。



いつ誰が来るかわかんないのに…。



「シよっか~」

「し、シない」

「あっそ」

「シカト?」

「そりゃあもちろん」



虎君の大きな手があたしの腕を押さえるんだ…。



逃げられない…。



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