麗しのワイルド ビースト
教室に入って席に座るとニコッと笑う林檎…。



ムリしすぎじゃねぇかよ…。



「虎君といたら怖くないの」

「は?」

「守ってくれるから。ね?」

「…………あぁ。守ってやるよ?」



林檎の気持ちに応えてやんなきゃ…。



精一杯ムリして笑ってんだ…。



俺が林檎を守らなくて誰が守んだよ。



「なぁ、今日久しぶりにメシ食い行かね?」

「どこに!?」

「俺金ねぇからファミレスあたり?」

「行くっ!!」



お前がそばにいることが俺にはいちばん心強い…。



誰にも触らせねぇ…。



俺の大事なもんは自分で守る。



「虎…」

「よぉ!!浮かねぇな!!」

「マジで悪かった…。まさかあんなことになるなんて…」

「平気だよな!?」



ニコニコしながら頷く林檎に感謝した。



俺があのバカ兄弟の弟をぶん殴って、兄貴の仕事なくしたんだ。



千景は悪くねぇよ…。



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