麗しのワイルド ビースト
【虎之助】



林檎が家に入り浸るようになってから俺は忙しい。


でも構ってやるか。



拗ねてるし。



カワイイし。



「なぁ、そんなに俺が好きなわけ?」

「好きじゃないもん!!帰るもん…」

「待て待て待て待て。可愛がってやるから」

「ヤダ!!1年の記念日くらい祝いたいのに!!」



まぁ忘れてた俺も悪い?



でも仕方ねぇだろ、忙しいんだから。



林檎に構ってるヒマなんかねぇの。



「どこかに行くの!?」

「だから忙しいって言っただろーが」

「だって…」



どうせ林檎のことだから海里に気ぃ使って家に来てんだろう。



そんな事情俺の知るところじゃない。



「んじゃ、明日な」

「お仕事!?」

「祖父さんに挨拶」

「い、行ってらっしゃい…」



林檎を部屋に残して祖父さんの住む本家へ向かった。



あいつは勝手に帰るだろうしな。



俺は祖父さんに意気込みでも。



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