麗しのワイルド ビースト
こうして3年生を目前に、俺の将来が見えた。



『たまには遊びに来い』



そう言った祖父さんに初めて心から笑いかけることが出来た。



母ちゃんに言った方がいいか、とか、親父は引退のことを知ってるんだろうかと、そんなことばかり考えたけど。



きっと俺から言うのは筋違い。



今日のこのことは黙っておこうと思った。



「ただいま」

「虎之助さんっ!!」

「なんだよっ!!」

「し、知らない金髪美女が…」



のぞみがなぜか慌ててる様子で俺を出迎えた。



リビングに行くと見たことあるようなないような…そんな金髪女。



「Who are you?」



俺がそう聞くとバンッと立ち上がって俺を睨んだ。



昔の女か!?



いや、俺のタイプじゃねぇよな?



「日本語で結構。ジョーの彼女よ」

「あっ!!写真の!!」

「別れるって言われたの。あなたの妹のせいでね!!」



妹!?



おりゃ独りっ子じゃ。



って、のぞみのことかよ…。



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