麗しのワイルド ビースト
虎君と向かい合って座ると、腕を組んでため息をつかれた。



怖いけど…ダメだ。



ちゃんと話さなきゃ…。



「ごめんなさい…」

「なにに対して?」

「疑ったこと。虎君の話しも聞かないで…あたし…ごめんなさい…」

「だから?」

「前みたいに仲良くしたいっ…」



また涙が出てきちゃった…。



虎君がどんな顔してるのかわからなくて顔も上げられない…。



すると急に腕を掴まれて立たされた。



「お前はどうやったら信じんの?俺はお前だけだって何回言えばいい?何を見ても俺を信じるくらいの気持ちはねぇのかよ…」

「ごめっ…」



苦しいくらい抱きしめられた。



やっぱり誤解…。



今回ばかりはあたしが悪かった…。



ごめんね虎君…。



「すっげぇムカつく…。林檎なんてカワイくねぇ…。お前なんか大嫌いだ…」



そう言ってされたキスは虎君の苦しさが伝わって来た。



なんで疑ったのかわからないくらい…虎君はあたしが好きなのに…。



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