麗しのワイルド ビースト
授業中、ふたりきりの図書室。



誰もいない空間で、ここぞとばかりに虎君は野獣に変身。



でもあたしに触れる指先は前と変わらず優しかった。



もう疑ったりしない…。



やっぱり大好き…。



「ん~と…あった」

「本読むの?」

「ん。寝とけよ。起こしてやるから」

「うん、おやすみ…」



本棚を背もたれにして座る虎君にひざ枕してもらって眠った。



難しい本を読んでる時はあたしは黙ってるんだ。



きっと虎君の仕事関係だからわかんないし…。



しばらくして目が覚めると、虎君はまだ本を読んでた。



いつの間にかさらにカッコよくなってる…。



長くなった髪のせいかな?



それとも少し大人になったから?



色白の虎君はこうして黙ってれば紳士に見えるのにな…。



「ヒゲの剃り残し発見…」

「許せ」

「チクチクする…」

「触んな」

「大好き…」

「俺も」



えっ!?



今普通に答えてくれた!!



完璧に目が覚めちゃった…。



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