麗しのワイルド ビースト
嬉しくて、なにもなかったかのように本を読み続ける虎君のお腹にギュッと抱き着いた。



嫌われなくてよかった…。



大好き大好き大好き…。



「虎君だ…」

「うるさい」

「幸せなんだもん…」

「黙らすぞコラ」

「もう本やめて!!本にヤキモチ妬きそう…」

「ぷっ!!なんだそれ」



やっとこっちを見てくれた虎君はパタッと本を閉じてからあたしを抱き上げて膝の上に乗せた。



久しぶりに抱っこされてる気がする…。



「今日お前ん家行くわ」

「うち!?虎君ちじゃなくて?」

「今家ん中ゴチャゴチャしてっから林檎ん家で休息」

「なにかあったの?」

「祖父様の引退騒動」



あの御祖父様が引退!?



まだ若いんじゃないの!?



ってことは…ジョニーパパが会長さん?



そしたら社長さんは!?



「まさか虎君が社長になるなんてこと…」

「ねぇよバカ。まだ今は親父が社長」



よかった…。



まだ忙しくならないよね?



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