麗しのワイルド ビースト
現実逃避をするならやっぱり林檎に限る。



嫌なこと全部忘れられそ…。



風呂の後は部屋にこもってテレビ。



「ん?なんだコレ」

「えっ!?わかんない!!見たことない…」



林檎の鞄から手紙らしきものが現れた。



いかにも教科書に挟まってました的な現れ方…。



「まさかラブレターじゃねぇの!?」

「そんなまさか…」



『川崎さんへ』



そう書いてある…。



綺麗な字で、男か女か判断出来ない。



「開けてみるね」

「早く開けろよ~!!」



ハサミを使って封筒をキレイに開けた林檎。



4枚ほどにつづられた愛の言葉に軽く引いた。



『好き』とか『今の彼はあなたにもったいない』とか。



こんなバカ真面目な文章を書けるヤツなんか俺のクラスにしかいないだろう…。



『3年A組 津川』



津川って…。



メガネのヤツか。



へぇ~、アイツが林檎を好きねぇ…。



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