麗しのﾜｲﾙﾄﾞ ﾋﾞｰｽﾄ

うちの学校で数少ない真面目君のひとり。



たしか成績は俺より下。



俺の林檎に告るなんていい度胸してんじゃん。



「好きだって。どうする？」

「えっ!?どうするってどんな意味!?」

「俺と別れて津川と付き合う？」

「まさか!!あたしは虎君が好きだもん」



林檎が悪いわけじゃないけどなんだか妬ける…。



なにもしないつもりだったけど…。



他の男から林檎が恋愛対象として見られてるのが気に入らない…。



「この部屋って音漏れんの？」

「えっ!?うん、防音じゃないけど？キャッ!!」

「声出すなよ？海里に聞かれたくねぇ」

「なんで!?なんで急に!?」

「津川に煽られた」



だから林檎には俺しかダメだって自覚してもらわなきゃ。



こんな林檎、他の誰にも見せねぇ。



林檎の全部は俺のもんだから。



どこにも行かせねぇからな？