麗しのワイルド ビースト
しかも引退してめちゃくちゃ丸くなった祖父さん…。



一気に老け込んだ気もしないでもない…。



「美味しい~!!このケーキ手作りですか!?」

「私が焼いたんだよ。昔、家内が趣味で作ってたのを思い出してね」



そこまでしないでほしかった…。



あの威厳のある祖父さんはどこに行っちまったんだよ…。



「それで、どうして急に?」

「彼女をちゃんと紹介しようと思いまして…」

「私は気に入ってる。趣味が合いそうだからな、イチゴさんとは」



だから林檎だってば。



いっそのこと改名させたくなる…。



林檎ももう諦めたのか、『イチゴでいいから…』って顔をしてる…。



「婚約は済ませたのか?」

「いえ、そういったことは大学を出てからと思いまして…」

「筋を通すのが男だ!!半端なことはするな!!」

「半端…?」

「早く結婚して後継ぎでも作れ!!」



祖父さん、俺はアンタがわかんねぇよ…。



無理にでも引退させんじゃなかった…。



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