麗しのワイルド ビースト
虎君ってあたしが好きなんだね…。



今すごく『好き』って言われたような気分に浸れてる…。



嬉しいな…。



「会社って手伝い程度でしょ?」

「小さいとこ一個任せてくれるって言われたから違うと思う」

「じゃあ虎君お偉いさんになるの!?」

「まさか。最近買収したホテルの雇われ」



十分偉いと思うんだけど…。



『まぁ潰れかけてるから俺が立て直す』



なんて自信満々発言…。



やっぱり虎君ってただ者じゃないんだね…。



あたしなんかと付き合ってていいのかな…。



「それより林檎、8月中旬に旅行行くから補習終わらせろよ」

「えっ!?ナシになったんじゃないの!?」

「ご褒美でもやんなきゃいつまでも再試クリアできそうにねぇから」



はい、ごめんなさい…。



でも虎君との初旅行なんてワクワクしちゃう…。



超楽しみなんですけど…。



やっぱりあたし、頑張って勉強する!!



その日、虎君に頼み込んで苦手な数学を教えてもらった。



「はぁ!?どうやったら間違えられんの?」

「えっ…違うの?」

「不憫だな…」



哀れまれた…。



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