麗しのワイルド ビースト
【虎之助】



親父に認めてもらえた俺は、大学に行ったら軽く経営をやってみる。



『いつ潰れてもおかしくない。それを立て直してみろ。机の上より実践で学べ』



それがうちの教育方針。



ガキの頃から無理矢理ピンチを作った状況でそこにたたき落とす。



はい上がるのも、さらに転落するのも自分次第…。



俺は嫌いじゃないやり方。



だって俺、負けず嫌いだから。



『どうせ潰れるんだから楽にやれ』



親父は甘いことを言ったけど、俺は絶対潰したりしない。



俺はなににも負けない…。



「荒瀬グループの嫡男ですって」

「うちの娘とどうかしら…」

「17歳とは思えない貫禄ねぇ~」



オバサマ達が騒いでるのもムリはない。



俺が荒瀬グループの跡取りだということは祖父さんの引退と共に知れ渡った。



「この世界も舐められたもんだ」

「まぁ見物だ」



若いってだけでバカにされる。



今に見てろ。



お前らなんかすぐに抜いてやる…。



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