麗しのワイルド ビースト
それでも元気な林檎…。



横になってテレビを見てる俺に対し『花火見に行こ~!!』と子供みたいに体を揺すって来るチビ…。



「腹いっぱいで動けねぇ」

「じゃあひとりで行くもん…」

「お前はアホか。こんな時間に知らねぇ土地の夜道なんか歩かせられるわけねぇだろ」



ムス~~~ッとしてる林檎が可愛くて脱がせて風呂に入れた。



理由もわからず風呂に入れられたもんだから暴れまくってる…。



「花火見たかったのにぃ!!髪も濡れちゃったじゃん!!」

「黙って入ってろよ。ほら、抱っこしてやる」



ブツブツ文句を言う林檎をシカトしてた時、俺達の泊まる部屋の露天風呂から花火がバッチリ見えた。



「なんで!?えっ、花火!!」

「だから黙ってろって言っただろ」

「すごい!!超キレイ…」



風呂から見た特大花火。



花火なんかより林檎のキラキラした顔の方かキレイに見えた。



いつの間にか仕草が大人びてる…。



ふとした瞬間、ドキッとする。



チビでガキ臭い林檎も少しだけ大人になってるらしい…。



< 407 / 518 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop