麗しのﾜｲﾙﾄﾞ ﾋﾞｰｽﾄ

【虎之助】



林檎の部屋は居心地がいい。



部屋が林檎の匂い…。



後輩の光輝が持ち込んだゲームをしながら麦茶でクールダウン中。



もう夏だな。



「ねぇ虎君」

「なんだよ」

「これって何で入れたの？」



肩から首にかけての入れ墨…。



なんでって言われても…。



「アメリカにいる時にノリで」

「ノリ…」

「ってのはウソ。ここに傷あんだ、撃たれた傷」

「撃たれっ!?」

「前に誘拐された時にちょっとな」

「誘拐っ!?」



あれは痛かったなぁ～。



３年前くらいか。



それからは誰にも負けたくなくてひたすら鍛えたんだ。



毎日バカみたいにケンカばっかしてたな。



今もさほど変わりねぇか。



「温泉とかプールとかダメなんだってな～…」

「そうだね、ダメだね…」

「だったら専用風呂作っちまえって話し？」

「そんなバカな…」

「将来は温泉の大浴場に入るのが夢だ」

「ムリだよムリ」



今バカにしたな？