麗しのワイルド ビースト
家に帰ってスーツに着替えて家の車を出してもらった。



隣には私服姿の林檎。



ギャルギャルしてんじゃねぇよ…。



カワイイからいいんだけど。



「到着いたしました」

「ご苦労さん。家戻っていいぞ。今日は帰らない」

「かしこまりました」



林檎と一緒に車から降りて入ったホテルではみんながペコペコ頭を下げる。



キョロキョロと辺りを見回す林檎を落ち着かせるために腕を引っ張った。



「あっ、ごめん…」

「こっち」

「うん?」



連れて来たのは俺のオフィス。



今は俺の代わりに親父の右腕が経営をしてくれてる。



4月になったらこのホテルは俺のもんだ…。



「たぶん俺、ここに住むと思う」

「へっ!?」

「たいして帰れないからな。大学行ってホテルやってってなると時間との勝負っつーか」

「そっか。あっ、キッチンもお風呂もあるんじゃん。ここが虎君の部屋か~」

「上の階にお前の部屋、用意してやるから」

「な、なにそのセレブ発言っ!!」



だって俺ってセレブじゃないスか…。



< 427 / 518 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop