麗しのワイルド ビースト
それはまた、卒業式と呼べるほど立派なもんじゃない。



生徒は真面目に座らず、適当に好きな席に座り、制服をまともに着てるヤツなんか数えられるくらいしかいない。



校長の挨拶なんか聞こえないくらいうるさくて、校歌を歌うヤツはひとりもいなかった。



むしろ、全員が校歌の存在を初めて知った…。



で、俺。



「卒業生代表、荒瀬 虎之助」

「はぁ~い」



優秀すぎる俺の挨拶。



まぁ、全く考えちゃいないけど。



「本日お集まりの保護者の皆さん、俺達は今日卒業します。今まで無茶ばかりしていたと思うけど、きっとこれからは真面目に自分の人生を生きて行くはずです。今まで育ててくれてありがとうございました」



これだけ。



でも、俺の言葉に3年生は共感してくれた。



泣いてる保護者が多数…。



俺も思ってるから。



一応、親には感謝してます。



だからこれからは少し、親孝行をしてもいい。



なーんてな。



俺は俺の道を、俺のやり方で歩む。



とにかく、卒業しちゃったぜ!!



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