麗しのワイルド ビースト
バチッと目が合ってしまった。



ニコッと微笑まれ、その笑顔がキレイ過ぎてなぜか照れるあたし…。



「どうなさいました?」

「あっ、いえ、なんでもないです…」

「もしかして迷いましたか?」



迷ったってことにしとこう…。



図々しく『虎君の彼女です』と名乗り出るのもなんだかいやだし…。



『レストランに行きたい』と伝えると、嫌な顔しないで案内してくれた。



「す、すいません…。広くて…」

「オーナーですら迷ってますから大丈夫ですよ」

「えっ!?」

「迷ったから迎えに来いってよく言われるんです。彼、方向オンチなのかしら?」



親密?じゃないよね?



ずいぶん歳が離れてるし…。



でも美人すぎるし!!



こんな人が近くにいるのが心配…。



「オーナーさんは今なにを…」

「オーナーですか?道に迷ってますよ?」

「へっ!?」

「あっ、ここです。それではごゆっくり」



そう言って去ってった美人さん…。



今から虎君を迎えに行くの?



< 435 / 518 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop