麗しのワイルド ビースト
ついこの間まで同じクラスにいたのに…。



翠君も京平もぐんと大人になった気がするよ…。


京平が案内してくれたのは奥のテーブル席。



夜景が見えて、雰囲気が大人っぽい。



バーなんて初めてだし!!



「飲み物は…ジュースな」

「やっぱり?」

「当たり前」



小さな声で久しぶりの友達の会話。



1ヵ月前なら絶対お酒出しただろうに…。



京平がくれたジュースを飲みながら30分…。



約束の時間は過ぎてる。



忙しいのかな…。



そう思って窓の外を見てた視線を入り口に移した時、さっきとは似ても似つかないキラキラの虎君が歩いて来た。



きちんとした身なりでヒゲもない…。



髪もまとめられてて…見とれるくらいカッコイイ…。



「悪い、待たせた」



なにも言えなくなっちゃった…。



だって…カッコイイ…。



「お飲みものは」

「濃いめのブラックで」

「コーヒー飲むならカフェに行けよな…。毎度毎度…」

「うるせぇ、雰囲気だ」


なんだか虎君じゃないみたい…。



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