麗しのワイルド ビースト
まともに目を合わせられないあたしと、いい匂いがする虎君…。



言いたいことはいっぱいあるのに声が出ない…。



「部屋、どう?」

「あっ!!すごく嬉しかった!!赤ばっかりで…カワイイし…」

「林檎?」

「はい!?」



ジッと顔を見られてる…。



な、なに!?



「お前緊張してんの?」

「あっ、うん…。ちょっと…久しぶり過ぎて…」

「相変わらずカワイイな」



もうダメ。



頭から湯気出そう。



虎君ってこんなに大人っぽかったっけ…。



「し、仕事は!?いいの?」

「今日は終わり。林檎に会いたいがために」



あの虎君があめぇよっ!!



と、ツッコミたくなる。



もうヤバイ。



早く虎君に触りたい…。



「お待たせいたしました」

「ん~、うまい」

「それはありがとうございます」



ここじゃなくてさ。



部屋に行こう?



「虎君…あの…あたしっ」

「あっ。わりぃ、ちょっと電話」



これは拷問ですか?



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