麗しのワイルド ビースト
あんな姿で会ったら絶対幻滅されると思ってシャワーまで浴びたのに…。



あれを見られたなんて…。



「引いた?よな?」

「ううん、お仕事大変そうだなって思った」

「本当は引いただろ!!」

「引いてないってば…」



あれは俺じゃねぇ…。



いや、俺か…。



3日くらい風呂も入らず仕事しまくってたから…。



最悪以外の何物でもない…。



「キレイな人と一緒にいた…」

「あぁ、森谷?」

「名前知らないもん…」



あっ、ちょっと不機嫌になってる…。



まさか妬いてる?



だとしたらすっげぇ嬉しい…。



「アイツは親父の会社から派遣されてる俺の世話役。俺の次の次に偉いヤツ。心配?」

「うん。大人の女で超キレイであたしとは正反対で…頭も良さそうだし…」



だったら尚更なにもあるわけねぇのに…。



チビでバカで童顔の林檎が好きな俺の何を心配してんだか…。



さすが、バカ。



「アイツは大丈夫だ。俺の中ではすでに男だから」

「女だもん…」

「アイツ、結婚してっけどな」

「不倫っ!?」



ないない。



アホも休み休み言え。



< 443 / 518 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop