麗しのワイルド ビースト
次の日は電話で起こされた。



うるせぇ着信音がベッドの下で鳴ってる…。



けだるく手探りで携帯を探して電話に出た。



「あい…」

「どこにいるの!?」

「るせぇよ朝から…。女んとこだ…」

「イチゴチャンだっけ?」

「林檎だアホ。で?なに」

「出勤時間よ」



もうそんな時間か…。



はいはい、行きますよ…。



拾ったシャツを着て下を履いてメモに書き置きしてから部屋を出た。



エレベーターに乗り、全く手をつけてないボサボサの髪を手ぐしで治す。



俺の部屋があるフロアで降り、向かう先はアイツがいる仕事場。



「だらしないわね…」

「おはよ」

「まだ覚醒してないじゃない…。お疲れかしら?」

「いや、眠いだけで癒されたから平気」

「だったら仕事にかかって。大学が始まる前にすることは山のようにあるんだから」



わかってるっつーの…。



いったん部屋に戻って着替えた。



俺の服は全てクリーニング行き。



パンツすら洗う時間がないから使い捨て状態。



でも林檎がやってくれんじゃねぇかな…。



歯を磨いて気合いを入れたら仕事開始だ。



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