麗しのワイルド ビースト
どうせ仕事ばっかりしてますよ…。



デートだって数えるくらいしかしたことねぇし…。



会えば襲うし…。



待たれるくらいのイイ男じゃねぇし…。



ハァ~…。



軽くへこみながらパカッと開けた弁当箱。



瞬時に閉めた。



林檎の弁当って何気に初めて。



高校ん時はお互い学食が多かった。



忘れかけてたけど…でも気付く、アイツがアホだってことに…。



海苔で思い切り『LOVE』って書いてあった。



タコさんウィンナーも見事にいた。



卵焼きもハートだったし、ハンバーグもハート。



ご飯の周りのピンクいのはなんだ!?



俺、あんな鮮やかなピンクがご飯にかかってんの食えねぇ!!



なに味だよアレ!!



午前中いっぱい、あのアホはこんな愛情弁当を作ってたのか…。



どこで食おう…。



恥ずかしくて誰にも見られたくない…。



「食わないと昼終わっちゃいますよ?」

「あっ、俺ちょっと出るんだっ!!用事済ませたらすぐ戻る!!」



クソ林檎っ!!



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