麗しのワイルド ビースト
商談もうまく行き、気分のいいまま夜に林檎の部屋に弁当箱を帰しに行くと、枕を抱っこしてテレビを見てた。



「素直に言う」

「なにが?」

「あのピンクいのはナシだ。やたら甘くてメシっぽくねぇ」

「カワイイじゃん…」

「知らねぇけど。で、LOVEはやめてくれ…」

「頑張ったのに…」

「最後に、ハートとタコさんもナシ。でも嬉しかったし美味かった」



ガバッと抱きつかれた。



フォロー入れといてよかった…。



「虎君が悪いことしたらまた作るもん…」

「悪いことなんかしねぇよ…。コレ、弁当のお礼」

「カワイイっ!!ありがとう!!」



ハート型のちょっと高いチョコ。



俺が食いたくて買ったけど林檎にやる。



でもやっぱ食いてぇ…。



「美味しいっ!!」

「俺にも半分…」

「んっ!?」



弁当の辱めは甘いキスでチャラにしとく。



美味かったのは事実だけどさ。



ん~、でも…。



手抜きサンドウィッチより、愛情たっぷり弁当より、コンビニのパンより…。



林檎がいちばんうめぇや。



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