麗しのワイルド ビースト
あたしの腕から赤ちゃんを奪った翠君はソファーに座り、ミルクをあげだした。



信じられない…。



つい半年前まで血まみれの後輩引きずってたのに…。



親になるとこんなに丸くなるものなのか…。



「すごいね、翠君」

「今日から母子同室なのにさ、あたしまだミルクあげてないんだけど」

「あはははっ!!超イイパパじゃん!!」



呆れたようなモモと、パパぶり発揮し過ぎの翠君。



なんだかんだあったけど、ここは案外うまく行くのかな?



翠君が大事にしてくれそうだもんね。



よかったね、モモ…。



「林檎、言っとくけど子供なんて産むもんじゃないよ」

「へっ!?」

「マジ痛い!!本当に死ぬ!!やたらムカついて何度翠を殴ったか…」

「今から脅し?」

「マジで。本気で痛い。今まで生きてた中でこんな目にあったの初めて。殺されるかと思った」



しばらくモモの地獄の出産話しに付き合い、温かい気持ちのまま名残惜しくもホテルに帰った。



あたしもいつかママになりたいな…。



虎君がパパで…。



将来が楽しみだぁ~!!



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