麗しのワイルド ビースト
その日の夜、林檎の部屋を訪れた。



林檎が寝てても気にしない。



「んっ…」

「おはよん」

「虎…君?」

「そのまま寝とけよ。襲っちゃる」

「ヤダ!!虎君なんて大嫌い!!」



大嫌い…。



あっ、そういえばコイツ怒ってたんだっけ…。



「俺は好きだけど」

「へっ!?」

「お前のこと、大好きだから林檎の意見が聞きたかっただけだし…。正直、俺は離れたくねぇけどな?」

「虎きゅん…。もっと言って?」

「大好き」

「あたしもっ!!」



単純…。



そこがカワイイんだけど。



こうして会うと、遠距離なんか俺にはムリに思える。



林檎が近くにいる安心感があるし…。



俺がお前から離れられないのかもしれない…。



やっぱり4年かけて卒業しよう…。



「俺戻るからな」

「まだ仕事!?」

「ん。起こして悪かった」

「あたしも行っちゃダメ?」



仕事場に?



林檎を連れて仕事?



「誰もいねぇから連れてってやる」

「ソファーで寝る!!」



俺も、もう少し頑張ろう。



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