麗しのワイルド ビースト
俺のデスクから見えるソファーでスヤスヤ眠る林檎を眺めながらの仕事。



すげぇカワイイ顔して寝てる…。



やっぱり俺、林檎のそばにいてぇや。



「よしっ!!」



気合いを入れてまた仕事。



風呂も入りてぇのに入る時間がない。



キリのいいとこで休憩。



寝そうになったらまた仕事…。



親父が昔、家に帰って来れなくて離婚の危機になってた意味が今ならわかる。



こりゃ家庭なんて仕事の次だわ…。



母ちゃんは相当寂しい思いとかしたんだろうな…。



俺もうまいことやって早く一人前にならなければ…。



翠みたいな顔がしてみたい。



自分の机の上に子供の写真飾っちゃったり。



眺めてるだけで楽しいだろうな…。



それから1年はずっとこの生活を続けた。



体が限界に達し、記憶なく仕事してた時もあったり。



気付けば林檎の部屋の前で寝てたこともしょっちゅうだった。



潰れかけたホテルは要約軌道に乗り、この1年で物凄く仕事が楽になった。



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