麗しのワイルド ビースト
それが心地いい。



あの日、林檎に一目惚れしてよかったと心から思う。



お前じゃなきゃこんなに長く続かねぇよ。



部屋に運んでもらったディナー。



「あたしが好きなのいっぱいだ!!」

「こんなに尽くしてやってんのに…」

「虎君、ありがとう!!」



その笑顔が卑怯。



忙しい日々の中でたまに見る林檎の笑顔は俺の癒しであって、ストレス解消でもある。



絶対林檎より俺の方がお前に惚れてんだ…。



こうして形にして愛情表現してやってんのに気付かねぇバカ。



今だに俺の浮気や心変わりを気にする…。



「ねぇ虎君」

「ん~?」

「リナチャンと旅行に行って来ていい?」

「は!?」

「ダメって言われても行くけど」



自由な専門学生だなオイ…。



ま、林檎の人生だから好きにすればいい。



「いずれは俺に服従すんだから…。へへへっ…」

「なぁに?」

「いや、行って来いよ。今だけだしな、遊べんのなんて」

「お土産買って来るね!!」



今に見てろ。



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