麗しのワイルド ビースト
躾失敗…
【林檎】



教室の窓側の席で外を見ながら片手でペンをクルクル回す彼…。



夏の温い風に揺れる金髪の獣毛と睫毛…。



切れ長の目とキリッとした眉毛がキレイな顔を際立たせる…。



一言で言えば…。



『麗しい』



と、思う。



そんなキレイな彼はあたしの彼氏。



「荒瀬、答えろ」

「あ!?なんか言ったか侍オタク」

「答えてください…」

「日本の歴史なんか知るかよ」

「じゃあ…長谷川~!!答えてくれ!!」



教師を教師と思わない。



そして、1つを抜かしては物凄く頭がいいらしい…。



まぁそれが日本史なんだけどね…。



夏休み間近の今、仕方なく授業を受ける出席日数ギリギリの虎君。



ちなみに禁欲生活1週間目。



相当イライラしてます…。



翠君に謝らない虎君が悪いんだけど。



だって友達は大事だよ?



冴えないころのあたしが知らない友情…。



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