麗しのワイルド ビースト
そのあとになんとかハニーで家まで帰れた。



ぜってぇ怒られる…。



「大丈夫?」

「ん、まぁ平気ではねぇな…。顔洗ってくっから部屋で待っとけ」



バスルームに行ってビックリした。



相当やられたなこりゃ…。



水が限りなく傷に染みる…。



片目が半分しか空かない…。



「なんだお前の顔っ!!」

「うっせぇ…」

「おい、スーツ」

「仕方ねぇだろ…。時間なかったんだから…」

「俺のネクタイに血っ!?お前ふざけんなよ」

「俺には俺なりの事情があんだよ!!ネクタイは買って返す…」

「せっかく褒めてやろうとしたのにバカしやがって…」



親父が怒ってる…。



でもケンカなんか親父だってしたはずだ。



『死ぬなよ』



それだけ言って自室に引きこもった親父。



林檎が来てるからカギかけとこ…。



「体いてぇ~…」

「脱いだら?」

「ん~、脱がせろ」

「うん…」



林檎が脱がせてくれたスーツはきっともう着れない…。



去年の誕生日にもらったヤツなのに…。



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