麗しのワイルド ビースト
虎君はデートとかに慣れてるんだろうけど、あたしはこれが人生初のデート。



ドキドキが止まらなくてまともに虎君の顔を見れない…。



「暑いから中入んね?」

「うん…」

「林檎?」

「な、なんでもない!!行こう!!」

「溺れても助けねぇからな~」



そう言った虎君だけど繋いでる手は離さないでいてくれた。



大きい虎君は深い場所でも平気みたいだけど…。



「足着かない!!怖い~!!」

「捕まっとけよ」



海の中で恐怖のあまり密着…。



比較的穏やかな波が来る度に虎君にギュッとしがみついた。



「ホント、チビだな」

「牛乳飲んだけど大きくならなかったんだもん…」

「海里はデカい方だろ?気の毒だな林檎。でもそのチビが好きなんだけど」

「好き…。もう一回言って!?」

「黙れ。離すぞ」

「イヤイヤイヤ~!!」



やっぱり今日の虎君はちょっと甘い…。



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