PINK OF HERO
そういえば白石くん!
あたしは自分のことでいっぱいで、白石くんを投げてしまったことをすっかり忘れていた。
「ぶ、無事だった?!」
慌てて聞いたあたしに、友達は気まずそうに答える。
「うん、無事だったよ。
けど…………」
なに…………?
「白石くん…他に好きな人ができたからこのあいだのこと忘れてって!」
え?
「あ、そう………?」
心配して損したような気分だ。
安心と共に、前の真剣な彼とのイメージの違いに驚く。
「で、それがさー」
友達がなんだか面白そうに目を合わせて笑う。