PINK OF HERO
「確かにそうかも」
黒沢の低い声があたしの耳元で響く。
「ほっとけないって言うより、弱ってる今だからやれそうかなーとか
思わなくもないし……人間ってどうしようもないよね」
黒沢が独り言のように喋る言葉を聞きながら、あたしはその腕の中でだんだん落ち着いてきているのを感じた。
「虚しいよな…負の感情なんか無くて、正義のことばっかり考えていれたらいいのに」
黒沢は少し体を起こすと、涙で張り付いたあたしの髪を分けた。
そして、ゆっくり近づいて
唇を合わせた。