PINK OF HERO
熱くなったあたしを放って、黒沢は身軽に体を起こした。
え?
どういうこと?
黒沢はそのまま振り返りもせずに部屋のドアに向かった。
「ちょっ……黒沢?」
おあずけ状態のあたしを無視して、黒沢は部屋を出ていった。
なんで?
突然のことにすっかり萎えて、
あたしはそのまま寝ることにした。
思ったより青木くんのことを考えなかった。
その代わりに、黒沢があたしの心を支配するようだった。