PINK OF HERO

はっ

「あっ…ごめんね、なに？」

「桃谷さん」



白石くんが、緊張した顔であたしを見ている。



「好きです」


白石くんのまっすぐな想い。
あたしにはそんなのは無い。
初めて会った人に、あたしの何が分かるの？





「白石くんはあたしのどこが好きなの？よく知らないのに簡単にそんなこと言っちゃだめだよ」



つい苛立った口調になってしまい、白石くんは驚いたようだった。

「顔とか雰囲気とかそんなもので好きになれる？そんなの………」
ただの体目的だ。
青木くんだって、あたしのことなんか本当に好きではない。
もうそんな愛は要らない。