PINK OF HERO
「お前が『青木くん』ね。どーも」
悪意のあるような言い方。
そりゃあたしが「ここが青木くんの席!」って言ったのが悪いのかもしれないけど。
青木くんはトゲのある言い方にも気にしないようで、博士が来るまで相変わらず雑談になった。
「そういえば黒沢くんって普段なにしてんの?」
みっちゃんが口を開いた。
「別にー」
黒沢がてきとうにはぐらかすと、黄田も突っ込む。
「怪しい。答えられないことか」
赤井くんも
「基地に住んでるのかい?」
と聞く。
黒沢ってほんと不審者だったもん。
あたしも不思議だ。
「どっから来たの?」
「答えられない仕事って?」
「どうやって来たんだい?」
「つーか人間?」
一度に集まった質問に、黒沢は面倒そうに答えた。
「守秘義務。」