PINK OF HERO
面倒だし、いきなり帰っても変だよね…。
あたしは流れにまかせて結局ロビーに入った。
いつもの席でビールを開ける。
「黒沢くん、カレー上手いだろ?」
デブが何故か自慢げに言っている。
「うん、普通」
黒沢も最初は怖いというか変な人だけど、それなりに馴染んでいる。
青木くんが隣ではないのは寂しくもあり、どこか楽に感じてる自分がいた。
「ままま、黒沢も飲んで飲んで!」
みっちゃんは相変わらず席に着いて数分でテンションが上がっている。
なんというか、安上がりな人だ。
ふわっ
カレーの匂いの奥に、馴染んだ煙草の香りがした。
「おーみっちゃん出来上がってんな」