PINK OF HERO

黒沢が、あたしの身長に合わせて屈みキスをした。

「えっ」
「やっぱカレーのあとにキスしたくないもんなー」

黒沢はそう言ってあたしの頭を撫でる。


「ちょっちょっと!やめてよ!」
咄嗟に顔が赤くなるのを感じた。
「無理ー」

そう言って黒沢があたしの首筋に顔を埋める。
体がぞくぞくする。
「……っ」

しかし、黒沢との、この間のことを思い出した。
興奮と共に、この前の苛立ちが込み上げてくる。

「このあいだ…なんで帰っちゃったの」


黒沢が顔を上げる。



近い。

真剣な顔で、
ベッドまであたしの手を引いた。


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