Distance of mind

「来てくれて、ありがとうね」


優しく笑って篠崎理玖はあたしに手を差し出す。


「あっ、あ、こ、これからもお仕事頑張ってください!」


なにか言わなきゃと思って出た言葉がこれだった。


すると篠崎理玖は


「ありがと!君も学校がんばって。」


とびきりの笑顔でそう言ってくれた。


あんな笑顔で、しかも至近距離でこんな優しい事を言われたあたしは、
彼から離れた後もドキドキしていた。




そして興奮状態の優希が鼻息まじりにあたしに話しかけてきた。


「ねえねえ、篠崎くんが帰るまで,あたし達ここにいようよ!!」

「分かった!いいよ!!」



ドキドキがおまらないあたし達は握手会が終わるまでお店の隅にいることにした。



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