Distance of mind
どうしよう・・・
立ち止まってケータイの画面を見つけていると、篠崎理玖が心配そうに話しかけてきた。
「どうしたの?」
「あ・・・友達と一緒だったこと忘れちゃってて・・・」
苦笑いしながらそう話した。
「すみません。ちょっと返信してもいいですか?」
篠崎理玖は少し考えてから笑顔で手を差し出してきた。
それから小声で
「貸して」
あたしは何をするのか想像もつかなかった。
言われたがままにケータイを差し出す。
ピピピ・・・
篠崎理玖はあたしのケータイでボタンを押し始めた。
どうやら、文章を打ってるらしい。
「???」
何してるんだろう・・・
しばらくしてから篠崎理玖は手を止めた。
―――そして。
プツッ――・・・
あたしのケータイの電源を切ったのだ。