びいだま
「だからさ、果歩。告っちゃえばいいんだよ」
「え・・・・」
急に、元気がしぼんでいく。
「だからさ!私が言いたいのはそこ!」
コマキが私の頬をパンと両手で軽く叩いて、見つめた。
「本当に、垣内が好きなの?彼女になりたいとか思わないわけ?」
「う・・・ん・・・・・、って彼女とかそんなのっ・・・・考えられないし・・・」
今までそんな経験ないし・・・・そりゃ、憧れるけど・・・憧れるけどさ・・・・・。
そんな私に、コマキは大きくため息をついて天井を見上げた。
「果歩。憧れるのと恋とはちょっと違うんだよ?」
「・・・・・・・・」
つぶやくコマキは少しさびしそうだった。
コマキの彼氏はバイト先の店長さん。
いわゆる・・・・不倫。かなわぬ恋。
辛い恋愛をしてるコマキの言葉が胸に突き刺さった。
・・・・私は、恋をしてる・・・・のかな?