びいだま
「僕が、悪いんです。僕が・・・・・・」
ユウ?
時々うなされるようなうめき声に、もしかしてと、瑞貴に聞いたあの昔話を思い出した。
必死に何度も謝るそのユウの言葉は胸が痛くなるほどの心の叫び。
「ごめん。マアコ・・・・ごめん・・・」
繰り返されるその謝罪の言葉に、思わず彼の近くに座り込んだ。
熱のせいか、荒い息が、なんだか泣き声にも聞こえる。
ユウ・・・
ユウ・・・・っ!
とっさに、なぜ自分がそうしたのかはわからないけど、自然と私はユウの右手を握り締めていた。
その苦しみを、
痛みを、
少しでもそのつないだ手から共有できればいい。って。
その時は思ったのかな。
よくわからない。
けど、私は、中学生のユウが必死で頭を下げてる姿を想像して、
いつの間にか涙を流しながら何度もつぶやいた。
「大丈夫だから・・・・大丈夫・・・」
それ以外何を言っていいのかも、わからなくて、その言葉だけを、彼の手を握り締め何度もなんども繰り返した。