びいだま

どのくらいそうしていたのかな。


ユウの泣いて搾り出すような懺悔の言葉は、次第に寝息へと変わっていく。



私はようやく少しだけほっとしながら、彼の寝顔を見つめた。



ユウ・・・・



ユウは、いつもこの一人の部屋で、ううん。高校にいてもどこにいても、さっきみたいな懺悔を心の中に持ち続けてるの?



辛いよね・・・。


苦しいよね・・・・。



「ユウ・・・・・」



初めてつぶやいた私の声に、彼のまぶたが一瞬ぴくんと動いた気がした。



あ・・・・。



「ん・・・・」


薄く開かれた瞳に、目が離せない・・・。


「果歩・・・・なんで?」


彼の出す、かすれた声に、体が動けない・・・・。



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