びいだま

何か言わなきゃ、


何かしなきゃ、と思ってるのに、体がまるでそこから動くことを拒否してるように、私の時間が完全に固まってる。



「果歩・・・・」



少しうつろな目をしてでも、しっかり私を見つめる瞳は、まるでビー玉みたいな・・・・。



頬に伸びる手も。



触れた指先も。



私の体全体の自由を簡単に奪っていく。



彼の指先から伝わる熱が、全部私の方に送り込まれてるみたいな錯覚。



「果歩・・・・・・・・」


何度目かの私の名前を甘くつぶやいた後、彼は私に顔を近づけて・・・



キスをした。




< 107 / 486 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop