びいだま
何か言わなきゃ、
何かしなきゃ、と思ってるのに、体がまるでそこから動くことを拒否してるように、私の時間が完全に固まってる。
「果歩・・・・」
少しうつろな目をしてでも、しっかり私を見つめる瞳は、まるでビー玉みたいな・・・・。
頬に伸びる手も。
触れた指先も。
私の体全体の自由を簡単に奪っていく。
彼の指先から伝わる熱が、全部私の方に送り込まれてるみたいな錯覚。
「果歩・・・・・・・・」
何度目かの私の名前を甘くつぶやいた後、彼は私に顔を近づけて・・・
キスをした。