びいだま
「果歩、本当にごめんね」
高校で再会したコマキは、少しなみだ目で私を抱きしめた。
「後で本郷さんに聞いたら、果歩の隣にいた男の人って、手が早いので有名な人だったって・・・・途中で果歩もその男もいなくなるから、あせって、瑞貴に電話しちゃったんだ」
瑞貴に・・・?
「瑞貴、すごい焦ってたわ」
え?
奥から聞こえる声。
この声は・・・・
「マアコ・・・・」
どうして?
どうして、ここにマアコがいるの?
教室の奥に、真っ白のワンピースを着たマアコが車椅子に乗って笑ってるのが見えて、私は思わず絶句した。