びいだま
「そうだ。何か飲み物もってくる。まだ時間あるし」
そういってコマキが教室を出て行った。
窓から風が入り込んできて、マアコの薄茶色のクセ毛をゆらした。
「寒くない?閉めようか?」
「ううん。大丈夫、ありがとう・・・」
マアコは嬉しそうに黒板や、ロッカー。机を触ってから窓のそとのグラウンドを見つめた。
「嬉しいな。高校にいるみたい」
そうやって目を閉じたマアコの頭の中には、きっとグラウンドを駆け回る姿があるんだろうな・・・・・
「カホちゃん?」
「え?」
「どうしたの?目を閉じてたけど・・・・」
そっか。
いつの間にか、私が想像してたんだ。
まだ小さいあの頃の3人が広いグラウンドでサッカーをしてるところを。
少し恥ずかしくて、ヘへヘ、と照れ笑いした私を見つめて、マアコが一旦おかしそうにわらってから、静かに口を開いた。
「カホちゃん・・・・ユウが好きなの?」
「え・・・・・」