びいだま
「・・・・でも、そう言われたらやっと気づいたの。私自身も・・・縛って・・・縛られてた、って。幼なじみっていう言葉に甘えてユウも瑞貴も変わっていってることから、目をそむけてた。いつまでも、あの時のまま、なわけないのにね・・・・・」
「それでも!・・・・それでも、ユウも瑞貴も、マアコを大切に思ってるのには変わりはないよ。変わるはずがないよ・・・・だって、大切な友達なんでしょ?仲間、なんでしょ?・・・・変わらないよ」
私の言葉に、マアコははっ、とした顔をしてから、表情を緩めた。と、同時にその丸くて大きな目から、つー、と涙が一筋流れた。
「ありがとう・・・・やっぱり・・・・それでも、幼なじみとしてわかるよ。なんで2人がカホちゃんを好きになったのか」
マアコ・・・・。
それは嬉しいはなむけの言葉、なんだろうか。
けど、なんだか悲しいよ。
マアコの辛さが、伝わってくるようで。
「カホちゃん・・・・・・よかったら、友達になってくれる?」
泣きながら聞くマアコに、私もいつしか泣きながら答える。
「もちろんだよ・・・。これからもよろしくね」
その私の言葉に、
マアコはハンカチで目元を押さえてから、笑うんだ。
あの花のような笑顔で。