びいだま
「じゃぁな。人は充分呼んだだろ?次の当番さん、がんばれよ!」
そう言って、マアコの車椅子を押して、瑞貴は店の外へと向かった。
「みずき・・・・・っ」
そう叫んだ瞬間、息が止まりそうになった。
ユウが・・・・
私の手を握って、瑞貴の後をおいかけたから。
周りからの羨望の眼差しに、気分をよくするとか、そういう余裕は微塵もなくて。
私はただ、その大きな背中を見失わないように、人垣を掻き分けて一生懸命追いかけた。
ごつごつした大きな手が、私を何度も引っ張りあげてくれる。
さっきも。
今も・・・・。