びいだま
「アハハハハ・・・・っ!いいの?」
コマキが愉快そうに笑うと、瑞貴は「いいんだよ」って言いながらユウをちらっと見ていたずらそうに笑った。
「お前、無茶しすぎ」
ハァハァ、と息をつきながら返すユウの言葉は単調だけど、表情は結構嬉しそうだ。
「文化祭、っておもしろーい」
マアコが真ん中で頬をピンクに上気させてケタケタと笑ってる。
なんか・・・・素直に、嬉しいな。
いつの間にか・・・・私はこの3人がすごく好きになってることに、今さらながら気づく。
クールに見せて、一番やんちゃな瑞貴。
イタズラそうに笑うマアコは、ボスでもあり・・・・、きっと2人のお姫様だ。
ユウは・・・・ユウは・・・・・。
「つーか、いつまでお前ら手、つないでんだよ」
「ひゃっ!・・・・ご、ごめん」
つないだ手を離すと、ユウは「別に」といってそっぽをむいた。
急に赤らんでくる頬を押さえていて、私は瑞貴がほんの一瞬だけ苦しげな表情を見せたことに、気がついてなかった。